②2025.01~

皆さんこんにちは。今回は吃音症状に悩むお子さんとの初回リハビリでの私の工夫について紹介させていただきます。私が働いている病院では18歳未満のお子さんを対象にリハビリを行っています。そのためこのコラムでは、未就学児の場合、学童期以降の場合に分けてお話させていただければと思います。

まず未就学児の場合、私は机上でできるゲームやおままごとなどのおもちゃを使用しお子さんの発語を促しながら吃音の中核症状や随伴症状の確認を行っています。特になぞなぞやクイズのような言葉で答える必要がある遊びはお子さんの発語を促しやすく、盛り上がることも多いです。未就学のお子さんの場合、まずはコミュニケーションの楽しさを学んでほしいので、どのようなことに困って来院したのか、話しにくさの自覚の有無などはお子さんからの訴えが無い場合はお子さんに直接確認せず親御さんからの聞き取りと、一緒に遊んだ時の様子から判断するようにしています。

次に学童期以降のお子さんの場合です。就学後のお子さんは吃音症状に気づいており明確な困り感を持っていることが多いです。そのようなお子さんには寄り添う意味も込めて吃音症状の困り感(言いにくい言葉や場面はあるか、学校でからかいなどは受けていないか等)や、どのような場面で流暢に話せるようになることを目指していきたいかを質問するようにしています。初回の評価としては未就学児さんと同じようにゲームをして発話の様子を確認するとともに、文章を読んでもらい音読場面の吃音症状の評価も行うようにしています。

また、未就学児、学童期以降のお子さんを持つ親御さんどちらにもお願いをすることがあります。それは、“そのお子さんがお気に入りの物を持参していただく”ことです。対人緊張が強く硬い表情で来院したお子さんも遊びなれたおもちゃや本があると緊張が和らぐ様子が見られたり、STが“お気に入り”について質問して一緒に遊ぶことでお子さんの発話量が増えることも多いです。

実際には対人緊張が強く初回のみではなかなか評価しきれないお子さんもたくさんおられます。そのようなお子さんたちが徐々に部屋に慣れて、話したかったことを爆発的に話してくれるようになることもじっくり関わることができる吃音治療の良さと感じています。

あけましておめでとうございます。
インフルエンザなど感染症が流行していますが、みなさま体調はいかがお過ごしでしょうか。

私は身近な人たちが新年早々にインフルエンザで発熱していく中耐えきり、気が緩んだ月末にただの風邪で発熱してしまいやっと回復してきました。

さて前回までは親御さん、お子さんに分けて初回面談についてのお話をさせていただいていたのですが、今回は初回面談を終えた後のST室での流れをお話させていただければと思います。

私が行っているリハビリの一番多い流れとしては、

を40分間のリハビリの中で行っていきます。

吃音症状の確認方法として、もちろん検査をとることもありますが、毎回来院時になにかしらの検査を取るわけではありません。ボードゲームで遊びながら自然な発語を促したり、絵本や学校の教科書を持参してもらい音読場面での吃音症状を評価していきます。

この時の評価ポイントとしては、自然な発語を促した時の吃音症状と、吃音症状が減るように短い発語を促した時の吃音症状の頻度を確認するようにしています。短い発語の促し方としては、はい/いいえ で答えられる質問をしたり、なぞなぞのように単語で答えられるクイズをすることがおすすめです。

また、吃音症状だけでなく、随伴症状の有無の確認や、自分の発話に自信をもってコミュニケーションを楽しむことができているかの確認も表情や積極的にコミュニケーションに参加できているかを見ながら評価をおこなっていきます。

コミュニケーションに消極的なお子さんは時間配分はこちらが提案しお子さん自身にスケジュールを組み立ててもらうこともおすすめです。ある程度年齢が高いお子さんでないと難しいこともありますが、お子さん自身に取り組みたいものを決めてもらうことで意欲的にコミュニケーションが取れることが多いです。

寒波が日本海側に猛威を振るう中、皆さんはどうお過ごしでしょうか。こちらも例年通り雪が積もっており、休日は家の中で取り組める趣味を楽しんでいます。

今回は、前回のコラムの内容について質問をいただきましたので今回はその二つについて書かせていただければと思います。

暖かくなってきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。

先日後輩から就職先を小児に決めましたと連絡をいただきました。小児分野に興味を持ってくれたこと、小児に関わるSTが増えることにとても頼もしく感じます。

さて今回は実際にST室で使用しているボードゲームを紹介させていただきます。

ストーリー・キューブ (Story Cubes)

storycubes

それとは別に面白かったのがこの?マークです。

ドブル (Dobble)

寒暖差に体調を振り回されることが多い4月でしたが皆様お元気でしょうか。最近はだんだんと暖かいどころか春はどこへ?と感じる程暑い日も増えてきて服選びが難しくなってきていますね。

前回のコラムではST室で使用している既製品の遊びを紹介させていただいたのですが、今回は手製している遊びを紹介させていただこうと思います。

ビンゴ

bingo

道案内

1.目的地が隠れている地図を持った人は、案内役に目的地を伝える

2.案内役は目的地が隠れていない地図を持ちながら、目的地までの道を説明する

暑い日が増えてきましたが皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

先日ダメマネというドラマで吃音症の方が登場したそうです。私はドラマを見る習慣がなく拝見していないのですが、学生時代にラヴソングという吃音症の女性が主人公のドラマをちらっと観たことがあり、メディアの発信力が吃音症を知っていただくきっかけになっていることに関心しました。

さて、今回のタイトルは“吃音に関わるSTになるために”をお話させていただこうと思います。

実は吃音学院さんに吃音症に関わるSTになるためには?そもそもSTになるためには?という依頼を最初の頃にいただいており、どのようにお伝えしたらいいのかをずっと考えていたのですが、今回は資格を取った後ということを前提にお話しさせていただこうと思います。

まず最初に分かれ道になるのは就職活動かと思います。吃音症の方の治療を行っているのかを見学や面接のときに聞いてみると職場の様子が把握できると思います。

ですが、もしかするとこのタイトルに興味をもって読んでいただいている方の多くはすでに就職しているが吃音症の臨床を始めたいという人が多いのではないでしょうか。

実際に私は“小児ならどこでも吃音症に関われるだろう”という安易な考えで就職をしましたが、働いてみるとなかなか吃音症のお子さんはいませんでした。しかしある日、いつも通っている保護者の方からお子さんの吃音症状について相談を受けたため主治医と話していると、吃音症は解決方法がないと思われており、リハビリに繋がっていなかったことがわかりました。吃音症のお子さんはいないのではなく、出会えていなかったんです。

その後、吃音症のオンライン研修に主治医を誘ったり、流暢性形成法やリッカムプログラムなどの方法を院内で周知することで多職種に吃音症への介入方法を知ってもらい現在に至ります。

また、吃音症のお子さんは所属先で受け入れているものの、介入に自信が無い方もいらっしゃると思います。

そのような場合はぜひ、吃音症のワークショップにご参加ください。私は時々スタッフとして参加することがあるのですが、これから吃音症のリハビリを始める人や始めたばかりの方も多く来られています。また、オフラインの研修会の利点は近い地域の横のつながりを作るいい機会になることです。ぜひお近くの研修会の情報を収集してみてください。

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